健康診断にて血便の為、要内視鏡検査で紹介状を出してもらう。
便秘症なので力んだ時に血便が出たのだろう、くらい
全く軽い気持ちで予約をとる。
前日の検査食や翌日休みなど考え、土曜日を希望。
小さな病院だがこの界隈では昔から有名な先生なので
混んでいて2015/02/07に決まった。
2015/02/07
前日は3食とも検査食。
当日、例の下剤を飲んで腸を綺麗にしてから来院。
くの字に横になり手の甲に注射、痛かった。
「もう1回手の甲に眠くなる注射しますよ」と言われたのは覚えているが
注射する前に爆睡してしまい何もわからないうちに終わった。
(友人に話したら爆笑された。)
なんと2cmの大きなポリープがあったらしい。
切除した病理の結果は2週間後。
出血したら大変だからと、切除した内容がわかる紙と連絡先が書かれた紙を渡されて
出血したらすぐ病院へ!!と念を押され帰宅。
大きなポリープがあったのには驚いたが
病理の結果がどうであれ、もう取ってしまったのだからいいんだ。と
何の心配もなく。
2015/02/10
ポリープ切除3日目の朝、ほんの少しだが血便が出た。
仕事に行く支度中だったが、あれだけ念を押されたし
通勤時間2時間近くかかるので、念の為会社を休み病院へ。
病室に入るなりドアも閉めてないのに
忙しいせいか、せっかちなのかはわからないが
「どのくらい出血したの?」と先生が。
私:「直径1cmくらい」
先生:「便器が赤くなる程ではないね、じゃあ問題ないね。
切ったところの血が少しついただけでしょう」
サクサクと終了。良かった。
2015/02/21
病理の結果をききに来院
一人で来る予定だったが私が寝坊して出るのが遅くなった為
その間に用事を済ませた主人が一緒に来てくれた。
病室に入るといつもサクサクしている先生がカルテを見て下を向いたまま
難しい顔して何も喋らない。
ん!?と先生の背後5m位のデスクに座っている看護師さんと目が合う。
看護師さんが先生の顔を覗き込む。
寝ている訳ではないのを確認し立ち去った。
ようやく口を開いた先生から・・・
「ガンだったんですよ」
「えぇ〜〜!?」
画像を見ながらサクサク説明を始めたので
「今主人もいるので一緒にきいていいですか?」
良かった。運良く主人と来ていて。
表面だけならポリープ取ったからで済むのだが
4層ある腸壁の2層目まで行ってしまっている。
となると確率はわずか5%だが、その周辺に転移している可能性もあり
またその根が内視鏡だけで取りきれずに残っているかもしれないとのこと。
80越している人ならこの確率の為に手術はしないけど
若いから疑いある所は切ってしまった方がいい、と。
でも早期だから大丈夫ですよ!とも。
紹介状を出してもらいすぐ大病院へ行くように言われた。
あまりにまさかの出来事で
ショックなんだか訳がわからない感じ。
とにかく『早期発見出来て良かったんだ!』という気持ちと
「日本人の腸は長いんだから3cm位切ったって大丈夫だよ!
むしろ便秘治るかもしれないよ!」という夫の励ましと
会社の健康診断、風邪ひとつひかない健康体だから!とたかをくくり・・
と言うより、ただ面倒臭くて1回も行かない私を連れて行ってくれた
会社の親友に命の恩人と感謝する気持ちで
2日間はとても前向きな気持ちでいられた。
病院のポスターに
『40代以上の女性に1番多いのが大腸癌
その原因は便秘とストレス』と書いてあった。
まさにその通り、私の身体って何てわかりやすいんだろう。
父が17年前、ガンで亡くなっている。
その頃働いていた会社の団体のガン保険に入っていた。
私も晩年はガンになるかも・・と漠然とした気持ちで。
でもまさか51歳でなるとは・・・しかも直腸癌とは・・。
2015/02/23
大病院へは次の休みに行こうかと思っていたが
やはり早い方がいい。
会社を休んで行ってきた。
1年3ヵ月前に子宮筋腫の手術をした病院だ。
とても明るく綺麗で設備も良く(世界3本指に入る設備らしい)
またいつか入院する事があったら絶対この病院にしようと決めていた。
勿論通うの便利な場所だし。
先生の診断が終わるとすぐに検査が始まった。
レントゲン・心電図・肺活量・エコーetc.
少し前に子宮筋腫の手術をしたばかりだからわかるのだが
もう術前検査やるの?とびっくりした。
本当に手術するんだ、本当にガンなんだ・・・
そしてここから日々不安が増してゆく・・・。
この病気の人は胃にも・・・という場合もあるので
次回は胃カメラとMIRを予約と、その後家族同席で説明の予約をして帰宅。
直腸癌・・・
情けない事にこの病名が自分の事として受け止められていないようだ。
痛かったり何か症状がある訳でもないのに手術か・・・という具合。
姉に話すと
「TVで便秘と下痢を繰り返すと大腸癌って聞いた事あるけど何もなかったの?」
そう言えば・・・
ず〜っと便秘の私が去年の8月頃から下痢もするようになっていた。
便秘のお茶を飲んでいて、効きすぎて下痢になる日もあるんだと思っていた。
なので10月にはそのお茶の定期コースをストップしていた。
また同じ時期から血便がある事にも気付いていた。
多い時は500円玉くらい赤くついていることも。。
全て便秘のせいだと思っていた。
2015/03/07
主人と2人で家族同席説明
先生が絵にしてわかりやすく説明してくれた。
ポリープを取って貰った先生と同じ内容に続き
腹腔鏡手術だが、腸を1回外に出して切るのでおへそ下1か所は傷が大きくなる。
(へぇ〜腸を外に出すんだ、とびっくりしたが
親友はそれしまえるんだ、とびっくりしていた。確かに!)
腸は10〜15cm切る。リンパ節も切る。
手術の前日に内視鏡で切る場所に印をつける。
大丈夫だとは思うがその場所が肛門に近かったら人工肛門に
なる可能性もある、と・・・。
10〜15cmも・・・
人工肛門の可能性・・・
今更ながら事の重大さがひしひしとわかってくる。
大変な事になってしまった。恐い・・・。
健康診断に連れて行ってくれた親友が
「夜眠れてる?」
さすがよくわかるのね。
2/21 ガン宣告を受けて以来、なかなか寝付けない。
いつでもどこでもすぐ爆睡!の私がだ。
年老いた母に言う勇気がないまま日が過ぎた。
親不孝な娘でさんざん心配ばかり掛けてきて
1年11カ月前50歳になってようやく結婚しやっと安心してもらえたのに
今度はガンですなんて・・・。
母は子供の頃おじいさんの看病から始まり
次から次へと人の看病をする為に生れてきたかのように
ずっと看病ばかりしてきた人だ。
心配性なうえに80過ぎてからガクッと年取ったと言っているし
すっかり弱々しく小さくなってしまった。
同居している姉に相談したが、最近調子良くないので
今は言わない方がいい、心配の日にちを最小限にする為に
入院直前にしようと話し合い言うのを見送っていた。
しかし入院も近づきいよいよ言わないと。
どうしても電話を手に出来ない。
母を悲しませたくない。
いっそ言わずに入院し、終わった後にもう大丈夫だよと
明るく言おうか・・・
でも母親としてどうなんだろう・・・。
何で言ってくれなかったの?と悲しくなるのではないだろうか。
いくら考えても答えが出ない。
姉と相談しながら迷いに迷った結果
言わないで入院することにした。
その後も言わないという選択。
必要な嘘として。
電話くれたり、私が電話しない事を不審に思われないように
入院前日「今月は忙しいんだ」と電話しておいた。
言わなくて良かった。
言っていたらこの元気な声は聞こえていなかったと思うから。



